音風景ブログ

目隠しテストによるエンコーダの音質評価などを行うブログです。

なぜABXテストは必要か?

ABXテストは、あるリスナーがAとBを聞き分けられることを客観的に証明するテストであるが、その必要がない場合にも有用なテストである。

例えば、WAVと320kbps MP3が聞き分けられると豪語する男がいたとする。ただしその男はABXテストをしたことがないと。そんな奇怪で無意味なテストはする必要がなく、音質を評価するには、ただ聴くだけでよいと男は言う。

経験的に、この男の言うことは信用できない。なぜなら、「これは圧縮された音だ」という思い込みが悪さをしているのか、それとも本当に圧縮が音質に影響を与えたのか、判断材料がないからである。一生に一度でもABXテストの経験がある人ならば、各自の思い込みの大きさを把握しているため、たとえ「ただ聴くだけ」であっても思い込みの影響を割り引くことができるので、信用度がアップする。

最も手軽にABXテストを経験できるサイトとして、このサイトを挙げておく。

http://mp3ornot.com/
このABXテストを馬鹿にする人も出てくるかもしれないが、全く区別できないほどの欠陥がこのサイトにないことは、すでに確認済みである。たとえオンボードの雑なPC環境+3800円のヘッドホンを使用したとしても、である。ただし、難しい部類のテストであることは同意する。理由として、男声やストリングスは多くの環境で再現が簡単な部類に入る(確認済み)こと、320kbps側にもノイズが入っていて紛らわしいことがあげられる。自尊心がずたずたになった人のために聞き分けのコツを書いておくと、「ーティアン」の部分で、320kbps側はさらさらしたホワイトノイズ、128kbps側は蛇口から水が出るようなノイズが加わっていること、最後の「タ〜〜〜〜」の部分に、高域のひゅりひゅりしたノイズが128kbpsには乗ること(聞き取るにはコツが必要。自分の頭頂部など、上のほうを意識すると聞きやすい。)に注目すると正答率をあげやすい。


(2011/3/8追記)サイト側の仕様変更により、テスト音源が複数に変更された。少し難易度が下がったように思う。急なアタックを持つ打楽器や弦楽器で、カサカサした音が追加される(プリエコー)ことに注目すると正答率をあげやすい。

(2012/5/4追記)再テストしました。